アトリエ・マイルストンブログ

2017年1月3日火曜日

新春:若冲の「鶴図」二(?)幅

火曜日・快晴
新年三ヶ日、暖かで穏やかな陽気に恵まれました。
お正月3日間とも13℃以上は、観測史上初めてとの事。

「名作美術館(その207):新春特集ー3」
「伊藤若冲の模写・鶴」

左:明の画家・文正の「鳴鶴図」  右:左作品の若冲による模写「白鶴図」

京の都の青物問屋の跡取りだった若冲、40歳にて早々と隠居、制作三昧の日々を送ったとの事。
画家は裕福だったこともあり、大陸伝来の絵画にも多く接する機会や所有にも恵まれ、無数の模写を行ったとの事。
今回、取り上げた作品も明の画家・文正の画風を汲みながらも、画家独自のアレンジを加えて模写を行っています。
「鶴」自体は割と忠実に再現しながらも、その背景は大胆にアレンジが施され、岸壁の位置・角度がまるで逆です。
その効果もあり、舞い降りる鶴の姿がより優美で柔らかな動きを想起させてくれます。
加えて翼の成す円弧が同心円的・様式的な白波の反復模様と相まって、空気のふくよかさをも表現されているようです。

「奇想の画家」と言われる若冲もまた伝統に学びつつ独自の世界を加えると言う正統的画家だったに違いありません。
他の絵師達と異なるのは、徹底的な写生描写力で、自らの欲する理想的世界を潤沢な時間と材料で描ききったこと。
模写や写生に精進した目と手の集積が画家独自の世界を築き、今日の我々にそのエネルギーが伝わってくるのです。
生誕300年も経た現代に於いても、画家の情熱は今もなお熱く燃えさかっているのです。
画家のめでたき「白鶴」、新年の巻頭にふさわしい瑞々しい息吹と優美さです。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その256):新春のオーディション特集ー2」

前回に続いての海外でのオーディション番組の中から、最近の筆者チョーお気に入りの動画をお届けします。
前回動画で審査委員長を務めていたサイモン・コーンウェル氏、今度は米国の系列番組に登場しています。
4名の審査員の誰かが金色のブザーを押すと、予選即合格と言うシステムだそう。
オーディション参加者のチョー若い女性の力強さ・まっすぐさに胸を打たれます。

「アメリカズ・ゴット・タレント」オーディションより「ファイト・ソング/カリスタ(キャリー)・ヴァヴィエー」
America's Got Talent 2016, Calysta Bevier sings Rachel Platten's "Fight Song"


16歳に続いて、次は12歳(!)の女の子のオリジナル曲です。
こちらもまた素直なまっすぐさと、力強さにやはり胸を打たれます。

「アメリカズ・ゴット・タレント」オーディションより「アイ・ドント・ノー・マイ・ネーム/グレース・ヴァンダーウォール」
America's Got Talent 2016, Grace Vanderwaar sings her original "I Don't Know My Name"
( 彼女のオリジナル曲の日本語歌詞の動画もあります、興味ある方はyoutubeでどうぞ。)

二人とも説明不要なほどの才能と行動力です。感激し過ぎて言葉ありません。
筆者(恥ずかしながら・遅まきながら)、人生をもう一度やり直したくなってしまいました。
でもそれは不可能な事、今日この時点から彼女たちを見習うしか成す術はありません。
されど「言うは易し、行うは難し」・・・。
「命短し、進めよ、タンメー(短命、沖縄語でお爺ちゃんの意)」
頑張ろう。

By 講師T