アトリエ・マイルストンブログ

2015年12月14日月曜日

久々、パスキンの少女像

月曜日・曇り
アトリエ定休日

「嬉しいお知らせ : 憧れのLED、全室導入!」

当アトリエや学童クラブ室など、建物内・全室の蛍光灯を全てLEDに交換しました。

1メートル強もある30ワット管が上下階で何と60本余もあり、取り付け業者さん二人に頑張ってもらいました。
蛍光管の交換のみならず、内部パーツの取り付けもあって、全ての交換まで朝から夕刻まで要していました。
でもそのおかげもあって見違える程とても明るくなり、耐震安全性や省エネ効果も期待でき 、嬉しい限りです。

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「名作美術館(その150):パスキン作、小さな女優」

Jules Pascin  " La Petite Actrice "

当コーナーでは久々登場のパスキン作品です。
「小さな女優」または「幼き女優」とでも訳せば良いのでしょうか、年端もいかない少女が横たわる油絵です。
但し、目を閉じているのではなくて、判然とはしませんが、物憂げな眼差しをしているようにも感じられます。
また少女が身体を預ける寝具も大きなクッションのようでもあり、その置かれ方や位置も判然とはしません。
室内もまた同様で、壁面やフロア面の境界も不確かで、柔らかな光線らしき色斑が画面中に漂っています。
「パスキン・マジック」とでも呼びたくなるような、見るものにその想像や判断を委ねる「あやふや絵画」です。

そのあやふやさが少女の表情にも表され、タイトルの「女優」と言う言葉がいっそう謎めいて活きるのです。
物質の対象物だけではなく、その手前や周囲の画面中で溢れ出る光と空気の織りなす空間も絶品です。
正に女性の艶やかさを描くことに卓抜した目と感性を持った稀有の画家パスキンならではの少女像です。

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「ミュージック・ギャラリー(その177):小春日和」

パスキンの暮らしたフランスはパリ繋がりで、この曲を選びました。
フランシス・レイ作曲の映画音楽「パリのめぐり逢い」のテーマ曲です。
今回はご本家の演奏ではなく、ライバル楽団のバージョンを選びました。

BGMとして、上作品の室内光をこの季節の「小春日和」に見立てるのも良いかも知れません。
(但し、利用した動画のタイトル・イラストは夏のようですが・・・。)
少女のまどろむ瞳や室内光が時に揺らめき瞬くようで、快感です。


「パリのめぐり逢い」 / フランク・プールセル・オーケストラ
Franck Pourcel Orchestra , "Vivre Pour Vivre (Francis Lay) ",1967

筆者・若かりし頃、流行した欧州系のイージーリスニング・ミュージックにジャンル分けされる楽曲です。
ごく幼少の頃よりインスト(歌の入らない器楽曲)好きな筆者には、正にジャンル名どおりの存在でした。

他にも似たようなジャンルで、「ラウンジ・ミュージック」と言うピアノ・トリオ編成+αの数々もありました。
流行歌やポップスでは聞けないハモンド・オルガンやビブラフォン等の音色が心地良く感じられました。
幼少期にあった米軍の有線放送ラジオから流れ出でるそんなスローバラード・インスト曲、快感でした。
柔らかな光の木漏れ陽が瞼に遊び、やがて忍び寄る睡魔に身を任せる瞬間がとてつもなく幸福でした。

往年のイージーリスニングの名曲たちに身を委ね、まどろむのもこの季節の小春日和の過ごし方です。
やがて、鼻腔の奥には幼少の頃に刻み込まれたミルク・コーヒーやバター・トーストの香りが蘇って・・・。
「遠くなりにけり、故郷オキナワ」

By 講師T