アトリエ・マイルストンブログ

2017年1月5日木曜日

T講師「夜景」作品、祝完成

木曜日・晴れ

「T講師のアート・ワーク(その14)」
『T講師の「夜空・夜景」、完成す』

昨年末の12月14日ブログ以降で紹介してきた筆者の第3弾新作が、本日めでたく完成しました。
昨年末を完成の目標に描画してきましたが、惜しくも越年、2年越しの製作となってしまいました。
年末年始の多忙期にあたった事もあって、期間的には約1ヶ月程の時間を要してしまいましたが、
製作当初の動機であるその光景の持つ強い印象は、それなりに保持・再現されたと思っています。

昨年の11月中旬に帰郷の途に就いた筆者、羽田から飛び立った直後の眼下に広がる光景に目を奪われました。
ヒツジ雲の隙間から都市の無数の街灯や自動車のライトが輝き、筆者の脳内カメラが瞬時に自動撮影しました。
その印象を是非絵にしたくて正方形パネルを自作。アクリル絵具とプラスチック製スパンコールを使用して完成。

生まれ故郷の南島へと向かう機上の筆者の気持ちは複雑です。
観光ではない南帰行には様々な想念が付随しており、過去から現在へとそれは筆者を羽交い絞めにします。
陽が落ちた闇間には京浜の市街が現れ・見下ろせ、その頭上・天空には無数の星々がきらめいていました。
幾重にも並んでは去る雲々の遥か向こうには柔らかな地平線が広がり、その北西には筆者第二の故郷が・・・。

当真英樹(Toma Hideki ) 作、「天地星(てんちぼし)」、"Star In The Heaven And On The Earth"
製作データ:アクリル絵具、ビーズ、色銀紙、スパンコール・コラージュ、木製パネルに鳥の子紙、サイズ:72.7x72.7cm

画題を他に「天と地の星」や「天空と地上の星々」等を候補に挙げましたが、今回は極くシンプルに命名。
でも後日、変わるかも知れません。
しばらく時間を置いて見直し、必要があれば補正加筆などを施したのち、サインを入れる予定です。
サインは製作年(脳内カメラのデータは昨年11月)と名前を記入予定ですが、その方法を考慮中です。
通常とは異なるサインの方式を考えています。記入後の最終画像は後ほど報告アップする予定です。
何はともあれ、完成に漕ぎ着けられたことは、描画の各過程と同様にこの上なく嬉しいものです。
新作にも着手したいのですが、この作品に合う額縁も自作したい気持ちも湧き上がってきました。

遅ればせながらも創作の喜びを再び見い出すことの出来た筆者、幸せ者です。
「感謝」



下画像は、描画開始以来のこれまでの主な工程です。




下画像は完成した画面の部分拡大図です。



街灯や自動車の発する円形状の照明や光、単純ながらもその表現に思いの外、苦労しました。
単に丸いだけでは筆者の狙う空気感や立体感が希薄になり、光の周囲にボカシや放射状の線を加筆しました。
アクリル絵具の白の明度だけでは輝度が出ず、各種のスパンコールを地上部や星々にも貼付・接着しました。
 その効果もあり、画面を見る角度・方向によりスパンコールの輝きや色が変化・移動するのがリアルで快感です。
市街・道路等の織りなす遠近法(透視図法)、視点の上下移動を意識・考慮、最前景にて折って歪めてあります。

今回 使用した各種スパンコールやビーズ、ラメ調シール類
これらが頭上で輝く星々や地上の遠近の街灯となって、画面を賑わしてくれています。
それらの発する光は、画面を見る角度によって青・緑・黄・橙と七色に変化してくれます。
連作で第二弾も作りたくなってきました。その際は裏からLED等、仕込みたいものです。

さんざめく天の星々と地上の人工照明、それは死者たちと生者たちの織りなす世界の象徴でもあるかのようです。
過去から連なり繋がる「光」と、現在進行形の未来へと続く「光」、それが筆者の脳内カメラが捉えた「天地星」です。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その257):特別篇:作品のBGM音楽」

その帰郷の際の機上での光景、ありていですが、こんな曲を脳裏に引きずり出してきました。
筆者の大好きなジブリ作品の挿入歌、筆者作品のBGMとさせていただきました。

「君をのせて(天空の城ラピュタより)」 詞:宮崎 駿、曲:久石 譲 / 井上あすみ(ライブ)
清楚な歌声が、透明な大気の中に景色の中に溶け込んでゆきました。
遠くなる第二の故郷、向かうは生まれ故郷・・・。
地球は回る。様々な過去と思いとを乗せて・・・。

By 講師T