アトリエ・マイルストンブログ

2017年1月2日月曜日

新春:若冲の「鳳凰図」二幅

正月2日・月曜日・快晴
本日も温かな日に恵まれ、気温も3月上旬並みとの事((⌒∇⌒))。

新春早々の春陽気の大山の様子(アトリエ近所、上古沢地区内よりの眺望)
こちらは森の里のケヤキ並木(暖かな日差しでポカポカ陽気です)

「名作美術館(その206):新春特集ー2」
「伊藤若冲の鳳凰図」

今年の干支は「鳥(酉)」と言うことで、昨日の当ブログ新年冒頭でも縁起の良い「鳳凰」を取り上げました。
今日はその第2弾で、やはり一対(筆者の独自判断での対)の鳳凰図を取り上げました。
「鳳凰」と「孔雀」が合体したようなユニークな作品です。
江戸の「異色画家(職業的絵師に非ず)」伊藤若冲ならではの絢爛たる世界、ご鑑賞下さい。

左:「孔雀鳳凰図」の内の「鳳凰図」    右:「老松白鳳図」(1765年頃)

昨日・前回作の「日出鳳凰図」に続いての作品、少しばかり注釈します。
左の「孔雀鳳凰図」、構図が同じなので、今回の右作品と対としましたが、実は他作品との対です。
右作品の「老松白鳳図」は同構図ながら、30幅から成る代表作「動植綵絵」の連作の中の一作です。
製作年代的には右の{老松~」の方が後年で、左の「孔雀~」の方はその以前に描かれたものです。

「老松鳳凰図」の部分拡大図

若冲作品、鮮やかな色彩が印象的ですが、白もまた例外ではなく、輝くような彩度や質感を持っています。
これは支持体となる絹本をあらかじめ薄墨で暗めに落とし込み、加えて絹本の裏からも彩色を施しています。
白の胡粉(牡蠣の貝殻)も最上級の処理を施した特上顔料を使用しており、若冲特有のこだわりの色です。
ついでながら、羽毛先端の赤いハート模様も現代らしい解釈が足せる吉祥画ですね。


今、最も人気のある伊藤若冲、昨年の展覧会では言語を絶するほどの超満員で、動員記録を更新したそう。
昨年の若冲展の際には、入場・観賞までの待ち時間、最長は何と300分(5時間!)を記録したとのことです。
( 「トイレ、どうしたの!?」)
アトリエ生徒のAYさんやYYさんも大変な思いをして観覧したそうですが、それだけの価値は充分にあります。
原画(実物)を直接見る機会など、ありそうで実は案外希少な体験で、複製物とは決定的な違いがあります。
それは確固とした物質であると同時に、画家の魂をも込められている点です。
その魂の生成物を見るのと、その形骸を見るのとでは明らかな相違があります。
今年こそ筆者もまた色々な実物作品に出合いに行きたいと年頭に思っています。
筆者、いまだ若冲に(間接的にすら)出会えず。
現在、京都で催されているとのことですが・・・。
無念

* * *

「新年のお年玉:ミニ箏(こと)購入」

筆者、新年セールで賑わう人気中古店にてミニ・サイズ(約1.2m)の箏を発見、しかもチョー格安、即購入。
階下の書物や他を物色するのも忘れて、即刻アトリエへ直帰行!

調弦のペグ(合計13本)が内蔵されており、付属の6角レンチにて調節可能。

 ソフト・ケース・取説付きで、アトリエ帰宅後、早速 電子チューナー使用にて調律。
オープン・チューニング(解放弦)のままで、「さくらさくら」が難なく弾けちゃいました。
ミニ・サイズとは言え、その美しい典雅な響き、新年を飾るにはふさわしい音色です。

(学童クラブでピアノ指導のK先生、箏も弾かれるそうなので、次回、演奏をお願いしようと思いました)。
楽器(と、その音空間)好きな筆者にとっては嬉しい新年早々の出会い・お年玉となりました。
「ラッキー!(^▽^)/」

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その255):新春のオーディション特集」

新春特集の表題の通り、海外のオーディション番組の中から、筆者お気に入りの動画を再度紹介します。
今や伝説となったあのスーザン・ボイル発見の1シーンです。新春第1号を飾るにふさわしいと思いました。
いつ見ても感動してしまい、1本の映画を見終えたような爽やかな快感に包まれてしまいます。
スーザン本人のキャラもさることながら、辛口で有名な審査員たちや観客たちも表情豊かです。
あの感動の名場面を再び。

「夢やぶれて(レ・ミゼラブルより)」 / スーザン・ボイル(2009年「ブリテン・ゴット・タレント」オーディション予選より)
" I Dreamed A Dream "/Susan Boyle ( From "Britain's Got Talent" 1st. round Audition )

審査委員長のサイモン・コーンウェルは著名な名プロデュ―サーで、その酷評ぶりはつとに有名。
個性的な女性審査員のアマンダ・ホールデンは女優で、やはり辛辣な感想・審査が有名とのこと。
やさしそうな雰囲気のピアーズ・モーガンは英紙の元編集長で、CNN・TVのホスト等として活躍中。
スーザン・ボイル自身はシンデレラ物語を絵に描いたようなデビューを果たし、今や世界中で活躍。
名画ならぬ「名場面」、ドキュメントならではの生々しさの中に包まれたほのぼの情感が快感です。

次回もオーディション番組の中からの筆者お気に入りの名場面・名唱をお届けする予定です。
出演者たちのチャレンジ精神と元気とパワーをお裾分けしてもらって、新年もがんばりましょう。

By 講師T