アトリエ・マイルストンブログ

2016年6月13日月曜日

明治の洋画ー8、岡田三郎助

月曜日・雨
アトリエ定休日

「名作美術館(その175):明治の洋画(そのー8);岡田三郎助の日本女性の美」

代表作の一つ「あやめの衣」(1927年)

「来信」(1928年)        「支那絹の前」

岡田三郎助は20歳で渡仏、当コーナーで取り上げた黒田清輝と同じ画家のコランに学ぶ。
師のコランはアカデミックな写実性と印象派的な抒情性を併せ持った美人画を描いていました。
岡田三郎助もまた先輩の黒田清輝同様に師の作風の影響を受け、女性の美を追求しました。
東洋や日本の美意識と西洋アカデミックな古典美を融合させた作品を多数 産み出しました。

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筆者の出身学校には絵画修復研究所があり、修復中の岡田三郎助作品も何点か見たことがあります。
積年の経年変化で劣化していましたが、画面から発する情熱や息吹に感銘を受けた記憶が蘇りました。
日本と言う風土と、油絵と言う西洋を融合させるべく奮闘した画家の生涯の一部を垣間見た気がしました。

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「ミュージック・ギャラリー(その207);雨歌」

今回は梅雨時の雨にちなんだ曲で、歌の方は当コーナー、再度の登場です。
大人の女性の艶やかさでは、並み居る歌手たちの筆頭に位置する昭和を代表する歌姫です。
前回のジュリー・ロンドンのように、我が国の元祖エアー・ヴォイスの代表とでも言えるかもしれません。
うっとうしく思いがちな雨の季節を抒情的風情と捉えて、ポジティブに楽しみましょう。

ちあきなおみ、「黄昏のビギン(1991年)」、原曲歌手:故・水原弘(1959年)
作曲:中村八大、作詞:永六輔、編曲:服部隆之
当初の動画、削除されたため、別動画を再拝借(11月27日)

作者は当コーナーでも取り上げた「上を向いて歩こう」のゴールデン・コンビの作品です。
おまけにアレンジは三代続く音楽一家の服部隆之で、しっとり・軽やか・ふくよかで心地良さは秀逸です。
マンドリンが先導して初めて始まる弦楽隊のビギンのリズムにもお洒落な哀愁が漂っていて快感です。
デジタル音楽隆盛の今世紀、アナログ&アコースチックな20世紀や昭和が愛おしく感じられる瞬間です。
雨のそぼ降る光弱き日に、アナログ・レコードの溝で発する雨降り雑音に耳を傾けるのも風流で良いかも。

By 講師T
( 姿を消して久しいこの稀代の女性歌手の奇跡のカムバックを夢見る一人)