アトリエ・マイルストンブログ

2016年5月30日月曜日

明治の洋画-7、百武兼行

月曜日・雨
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「名作美術館(その174):明治の洋画(その7):百武兼行の洋行油絵」

 「マンドリンを持つ少女」            「タンバリンを持つ女」

「母と子」

百武 兼行(ひゃくたけ かねゆき)
1842年(天保13年)~1884年(明治17年)43歳にて逝去

百武兼行は優秀な外交官で職業画家ではありませんが、洋画黎明期における重要な画家の一人です。
祖先は戦国武将で父は佐賀藩藩士、明治4年岩倉具視使節団に随行し、渡欧。滞在中に洋画を学ぶ。
33歳にして洋画を学んだ百武は、その1年後にはローヤル・アカデミー・オブ・アーツ展で入選を果たす。
英国で最初にオックスフォード大学に留学した日本人となり、その後フランスにも留学、更に洋画を研鑽。
その後3度目の渡欧(イタリア、ローマ)を果たし、その間に日本人では初めてと言う「臥裸婦」を描いた。

維新浅き日に三度にも渡る洋行で、百武は明暗法や遠近法等の西洋絵画の真髄を習得したと言えます。
浮世絵のような平面的絵画やチョンマゲに草履履きの世に育った人間の基礎能力の高さに感嘆します。
掲載画像はいずれも画質に難があり、その細部まで再現不可ですが、素朴な温かい眼差しを感じます。
特に「母と子」など、単なる写実を超えたナイーブ・アートやシュール的な表現派風な世界が印象的です。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その205)」

今日は雨、五月雨にけぶる車窓からの景色がこの懐かしい曲を思い起こさせてくれました。
筆者若かりし頃に一世を風靡したフォーク・ミュージック・ブームの中の隠れた名曲の一つです。
歌詞の感じからも、明治から大正・昭和初期までの情緒を彷彿とさせる世界で、今も新鮮です。

一時、音楽活動から遠ざかっていた歌い手ですが、2009年より活動再開。
ネット上にオリジナル曲の投稿は無く、今回は復活後のライブの様子です。

「通りゃんせ」1972年(沖縄祖国復帰の年)、歌;佐藤公彦(愛称:ケメ)

まるで往年のモノクロの邦画を見ているような上質な和風情緒、良い雰囲気ですね。
まるで可愛い女の子のようだった往年のケメさん。やさしそうな男性になりましたね。
当時も仲間内で良く歌いましたが、「おさんどん~ん」のシンコぺーションが独特で、聞かせ所でした。

「脱線 余談 追記」

ちなみにケメが弾いているギターはマーティンのO-45、サイドマンの方はギブソンのダブ、共に名器です。
高校時代に周囲のみんなが憧れていた楽器メーカ―の代表ですが、その当時のものが今ではビンテージ。
時を経て熟成され、新製品ではけっして出せない味わい深くも懐深い音色やルックスが、素晴らしいですね。
人もまた、そう在りたいもの。
ポンコツや中古ではなく・・・。
「ヤバ・・・ (-_-;)」 

By 講師T