アトリエ・マイルストンブログ

2015年3月9日月曜日

モンロー・バイ・アベドン

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「名作美術館(その113):写真芸術」

モンロー・バイ・アベドン
Marilyn Monroe by Richard Avedon

今回は当コーナー初の写真の登場です。
写真が立派な芸術の領域・一分野であると言う認識が、残念ながら21世紀の今日でも国内では浅いのが実情です。
筆者はカメラ(レンズ)と、撮る撮影者と、撮られる被写体(モチーフやモデル)側三者との共同制作だと考えています。
写真家の国内初の展覧会で見た作品群は、それまでの筆者の持つ写真の概念を遙かに超えた迫力に満ちていました。

アメリカを代表する写真家が、20世紀ハリウッド映画を代表すると言っても過言ではない存在の女優を撮った写真です。
スタジオの中間調子・背景紙の前でモデルとなった女優の一瞬の表情を、写真家は逃すことなく永遠のものとしました。

Marilyn Monroe, Actor, New York, May 6. 1957
Photo by Richard Avedon ( 1923-2004 )
Camera: Rolleifrex , silver gelatine print

上の写真の拡大トリミングです。レンズ絞りの被写界深度の浅さによるボケ味が、美しい空気感を出しています。
演技かは定かではありませんが、化粧しながらも女優の疲れ切った空虚な表情は、イコンとしても魅力充分です。

上の2枚は、同日のフォト・セッション時に撮られた未発表カットです。これらも捨てがたい表情です。

撮影カメラ(レンズ)について

左:写真家が撮影に使用したドイツ製二眼レフ・カメラ、ローライフレックス。
中:今回の撮影者の本人リチャード・アベドンがそのカメラを手にした写真。
右:今回のモデル被写体のマリリン・モンローがそのカメラを手にした写真。

デジタル・カメラが全盛を極めていますが、フィルム・カメラの魅力もまた他では代替できない捨て難いものがあります。
今回作品の中判(6x6cmサイズ)カメラ特有の画角や画質、レンズの描写性など、再認識・再評価が望まれます。
写真は、光やレンズや感材、撮影者と被写体、それらを再現する際の技術と感性等の複合芸術だと考えています。
それらが合体した「一期一会」で捉えられた時空が、人の視覚を越えて、豊かで魅力的な芸術を産み出しています。


上記カメラに装着されているドイツのツァイス製レンズの上品でソフトな描写力とボケ味には、筆者も憧れました。
筆者も若い頃にマミヤ製の二眼レフを持っていましたが、友人に貸したきり、そのまま戻ってはきませんでした。
今頃、何処で、どうしているのでしょう?せめて骨董品として飾られて、愛でてもらっていれば良いのですが・・・。
20世紀は遠くになりにけり・・・。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その139):冬名残り歌」

今回はマリリン・モンローと言うことで、以前、当コーナーを飾った唄の再登場です。
本土復帰前のオキナワ生まれ・育ちの筆者にとっては、眠気を誘う子守歌のような存在でした。
我が家の居間の鴨居上の親子ラジオ(米軍有線放送)や、米人のご主人と暮らしていた叔母の家のステレオで・・・。
そのいずれもが真空管のアンプで、マイルドで温かなゆったりとした音質は半世紀近く経っても筆者の耳に残っています。

「帰らざる河」 / 唄:マリリン・モンロー(1954年)
Marilyn Monroe, The River Of No Return ( With Lyrics )

懐かしい唄声とその織りなす空間に、いつもの刷り込みながら、ついまどろんでしまいそうです。
前回登場の際も記したような気がしますが、温めのお風呂に浸っているようで、とろけそうです。

「三寒四温」のこの季節。日々の寒暖差も大きく、春だと思えば、また冬に連れ戻されたり・・・。
年末年始から溜まった冬の疲れも出やすいようなので、のんびりと暖を楽しみたいと思います。

By 講師T