アトリエ・マイルストンブログ

2015年2月2日月曜日

ワイエスの冬絵ー3

月曜日・晴れ
アトリエ定休日

「名作美術館(その108):ワイエスの冬絵ー3」

Andrew Wyeth  "Snow Flurries"  Tempera 1953

Andrew Wyeth  "Winter"  Tempera  1946

1月5日の当コーナーに続いてのワイエスの冬絵特集・第3弾です。
上段の荒涼とした風景画、小雪または雪の突風とでも訳せば良いのでしょうか。空と大地とが風音さえも感じさせます。
下段の少年、筆者の不確実な記憶では、確か画家の隣人のドイツ系家族の息子さんだったのではないかと思います。
その少年、冬枯れ褐色一面の草原を空軍パイロットの制服を着て、自ら思い描く想像の世界に没入している感じです。

両作品共に大地の相を画の素材にしていますが、目には見えない風の速度・冷たさまで表現されているように思えます。
絵画は静的視覚芸術ですが、優れた作品は見る者の五感や想像力に強く訴える総合芸術的な力をも有しているのです。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その134)」

そんな訳で今回の当コーナー、上記の作品を見ている際に筆者の脳裏に出現した音楽をお届けします。
画面を見ている時に、自然に湧き出た草原上空の「飛行・飛翔」の言葉・感覚から連想されたものです。

ザ・コアーズ 「リトル・ウィング(ジミ・ヘンドリックス作)」(アンプラグド・ライブより)
The Corrs " Little Wing "  MTV Unplugged Live  in 1999

モンスター・バンドのU2と並んでアイルランドを代表する兄妹バンド、これまた筆者のお気に入り愛聴ライブです。
姉妹の演奏するフィドル(バイオリン)やケルト・ティン・ホイッスル(笛)のユニゾンに、つい鳥肌立ってしまいます。
また兄妹のみならず、共演者達のハモンド・オルガンやメタルのリゾネーター・ギターの演奏もとても魅力的です。
ワイエスの冬絵が更にズーム・アウトしていって高くなり、少年の姿が小さくなっていくような錯覚に囚われそうです。

By 講師T