アトリエ・マイルストンブログ

2014年12月1日月曜日

フェルメールの窓辺の女二作

月曜日・雨
本日より、いよいよの12月!
アトリエ定休日

ガスの煙るアトリエ背後の丘頂き (雨に濡れて紅葉や落葉が更に美しさを増しています)

「名作美術館(その98)」
静謐の画家フェルメールその5:「窓辺の女性、二作」

「水差しを持つ女」 1664-65年頃             「天秤を持つ女」  1664年頃
45.7 x 40.6cm メトロポリタン美術館           39.5 x 35.5cm ワシントン国立絵画館

この美しい二作に共通するのは、窓辺・ショールの女性等ですが、風俗画にしては静かな雰囲気をたたえています。
左の「水差し~」の窓からは明光が、右の「天秤~」の閉じられた窓やカーテンからは薄暗い光が差し込んでいます。
研究者によると、様々な寓意が込められているとのことですが、そんなことに関係なく画面は美しさに満ちています。

 磨かれた銀器に映り込む織物や机の上の宝飾品の輝き等、画家の目と感性とその技に、ただただ敬服するのみです。
白いショールに包まれる女性の斜め横顔も美しいのですが、その額に頭髪が見受けられないのは何故なのでしょうか。
「天秤~」の女性は妊婦さんらしいので尼僧ではないようですが、今回は想像は止めて、画家の光空間を楽しみましょう。

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その122)」

今日の当コーナーは、上作品とは直接関係ありませんが、フェルメールの描いている楽器繋がりとでも言えるかも。
ジブリの「千と千尋」でもお馴染みの名曲ですが、アメリカ在住のシンガー・ソング・ライターの女性が歌っています。
不思議少女のこの女性、演奏する楽器も多彩で、リュート、バロック・ギター、ハープやバイオリンと多岐に渡ります。
分割された画面、全てこの女性1人の多重録音・録画による演奏です。

「 いつも何度でも 」(詞:覚 和歌子、曲:木村 弓) /  歌・演奏: エルタン 
"Itsumo Nando Demo"  performed by Erutan

フェルメールの頃のような古楽風にアレンジされた美しい名演ですね。日本語の発音も綺麗で、この曲への愛を感じます。
このコーナー誕生の初回にアップされたのがこの曲で、ウクライナ出身のナターシャ・グジーさんの美しい歌と演奏でした。
東日本大震災・直後の無力感を感じていた頃でしたが、今でも最も好きなアレンジなので、近いうちに再登場があるかも。

By 講師T
(いつの間にか、このコーナーも122を重ねるまでになっていたのですね・・・。)