アトリエ・マイルストンブログ

2013年10月28日月曜日

古代ギリシャの壺絵(その2)

月曜日・晴
アトリエ定休日

今回は、お休み日恒例の
「名作美術館(その60)」と、「デイリー・ギャラリー(その13)」
の特別・合体判です。

前回、紹介した古代ギリシャの壺絵の第2回目をお届けします。
今回も壺本体ではなく、その絵に絞って貼らせていただきました。

実用品である壺の装飾・付随物と言うにはあまりにも素晴らしい魅力に満ちている優美な世界を堪能して下さい。
(画面内クリックすると、拡大画面が得られます。)

左:17世紀の巨匠ルーベンスや、他のバロックの画家達のような柔和な優美さです。
右: まるで印象派や、それ以降のエコール・ド・パリの画家達の風俗画のようですね。

オペラやバレエなど、優雅な舞台芸術のような動きを感じます。

左:15世紀ゴシック様式のイタリア・ルネッサンスの画家ウッチェロの絵を彷彿とさせます。
右: クリムトやラファエル前派など、19世紀・世紀末の画家達のような劇的な様式美です。

 まるで近代~現代画家のような自由闊達な絵付けですね。

これらの赤絵と言われる技法は、紀元前5~600年頃に開発・盛んになった様式です。
後世の画家達や美術の様式運動に多大な影響を与えたことは、紛れもない事実です。

初期ルネサンスの画家パオロ・ウッチェロや、20世紀の詩人ジャン・コクトーの絵を想起させます。
また20世紀の巨人ピカソの最晩年のデッサンや版画連作にも共通する妖艶さも内包しています。

芸術的にも高度に洗練されたこれら人類の至宝、その当時は日常の生活器具として機能していたこと自体が驚異的です。
ハイテクや利便性優先主義の現代ですが、文化的側面での日常は果たして古代ギリシャの感性を越えているのでしょうか。

By 講師T

* * *

「ミュージック・ギャラリー(その74)」

今日は上述のギリシャ繋がりと言うことで、ギリシャが生んだ希代のディーヴァ(歌姫)の曲を・・・。

ナナ・ムスクーリ ” アマポーラ (ひなげし) ” (1984年)
Nana Mouskouri " Amapola"

季節外れですが、ナナ・ムスクーリの美しく澄んだ歌声と共に、モネの絵のような美しい画像も楽しんで下さい。
(手前味噌ですが、)壺絵・鑑賞の際のBGMとしても良い雰囲気ですね。