アトリエ・マイルストンブログ

2012年4月30日月曜日

KTさんのセザンヌ完成

四月最終日、月曜日のアトリエ、Tさん親子がやって来ました。
KTさん、制作中のセザンヌの模写の仕上げに取りかかります。



KTさんの油絵(F8号)、セザンヌの模写「砂糖壺と梨とタピ(絨毯)」が、見事に完成しました。
(原典画像は、画集とポストカードの両者を比較し、中間色の綺麗な後者を参考にしました。)

KTさんの筆法もあって、柔らかな色彩と豊かな階調が実寸の画面より大きく見せています。
また、油絵ならではの味わい深いマチエール(筆触などの素材感・質感)も魅力的です。

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 久々 HT君(小4)、制作中のトラックの各作業を行います。


 
今日は前後バンパーが車体に接合され、ナンバー・プレートも取り付けられました。
前にはイニシャルと誕生日(青地)、後には制作年の数字が記されました(黄色地)。
次回は、ドアのネーム描きと、タイヤ・ホイール・キャップが取り付けられる予定です。
楽しみですね。

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弟のKT君(5才)、今日もウルトラマン・グッズを制作します。

 
 今回はウルトラマン・サーガのかぶるマスク、「ウルトラゼロアイ」が完成しました。
ソツなく よどみなく制作するKT君の創作パワーには、いつもながら驚かされます。


KT君、恒例の完成記念撮影です。
Tシャツのドクロと相まって勇ましいですね。

2012年4月29日日曜日

連日の夏日

昨日に続き連日の夏日となった日曜日、ESさんがやって来ました。
制作中のアンリ・ルソーの模写を続けます。


















今日は、濃い緑色の葉や幹など、また右上の大きな葉に片ボカシの緑などが彩色されました。
熱帯らしいエキゾチックな情緒が一段と深く濃くなって、今日の陽気にふさわしい雰囲気となりました。
次回も楽しみです。

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SY君(中2)、制作中の「四天王・持国天」の塑像作りを続けます。
  


今日は、前回作った胴体部の前後に更に木片が追加され、その上にシュロ縄が巻かれました。
肩の部分は両腕が追加されるので、今回の作業では除外してあります。
上左は背面に木片を追加・接合中の場面で、上右はその上にシュロ縄を施しているところです。
身体の厚みも随分 増してきました。画像下左は正面、右は側面です。
次回も楽しみです。

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HK君、JKちゃん兄妹もやって来ました。
兄のHK君(小5)、前回のデザイン画を基に、今日からいよいよ木工クラフトで飛行機作りです。



 初日の今日は、角棒製の胴体が切り出され、カッターを使ってその角取りが行われました(上右)。
その次は、翼用に薄いベニヤ板がノコギリで切り出され、棒ヤスリで角取りが行われました(上右)。
次回は垂直尾翼の制作と、主翼・尾翼の胴体への接合の予定です。
次回も楽しみですね。

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前回 綺麗な「虹と馬」を描いた妹のJKちゃん(5才)、今日は花を描きます。


色鉛筆で描いたJKちゃんの「ハイビスカス」が仕上がりました。周囲には小さな花もあしらわれました。
JKちゃんのていねいでしっかりとした描線が、花の活き活きとした瑞々しさを表現しています。

 また張り子・貯金箱用のデザイン画と、見事な「馬」の絵も描かれました。

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JP君・ZP君の最年少兄弟もやって来ました。
兄のZP君(5才)、木工クラフトで作る剣のデザイン画を描きました。

 
JP君、図鑑の中からも、色々な作物・食べ物を描きました。 
左の色付きは、上がダイダイとスダチ、その下は柿です。
右は、イチゴ、スイカ、そら豆、メロンなどが描かれました。

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弟のZP君(3才)、今日はカラー粘土で色々な物を作りました。


T&M講師、てんてこ舞いのドサクサで、ZP君の粘土作品をつい取り損ねてしまいました。すみません。
気が付いた時には、粘土全部の混沌プレス状態でした。

2012年4月28日土曜日

新人HTさんの銅版画

連休初日の土曜日、久々にスカッと晴れたと思ったら、気温がグングン上昇して夏日となりました。
CO君(中1、女子)、制作中の自由画の仕上げに取りかかります。

リュックをしょったまま、描画の集中するCO君の様子。


CO君のパステル画が(取りあえず)仕上がりました。
「夜と昼」「陽と陰」等の対極・二極の世界が、ソフトな色調の調和で描かれました。
次回まで時間を置いて加筆の有無を決定した後、サインが入れられる予定です。
(注:リュック姿は、入部した体育系部活用に筋肉鍛錬をしているため、のようです。)

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先日(4/7)、体験授業を受けたHTさん、今日からアトリエで制作することになりました。

 
今日は「猫」をモチーフにした銅版画の試摺りと、微調整の加筆が行われました。
技法としては、エッチング(腐食法)とドライポイント(直刻法)が使用されています。
前縮法で捉えられた猫のまどろむ表情とソフトな描線とが相まって、のどかで暖かな雰囲気を作り出しています。
次回も楽しみです。



今日は全国各地で「夏日」「真夏日」となりましたが、故郷 沖縄は早くも梅雨入りしたとのことです。

また本島最北の海上では、43年ぶりに復帰要求海上集会が開催・再現されたとの事。
サンフランシスコ講和条約から60年、祖国復帰後40年。その歴史は重く、未解決のまま、また繰り返され・・・。
三つの大国の我欲に翻弄され、「未だ波高く、思いは重く、想いを生まれ島に馳せ・・・」

By 講師T

2012年4月27日金曜日

新人の小さな姉妹

イチョウの新緑が一段と鮮やかな雨の金曜日です。

森の里・西校前交差点(3丁目)から、愛名トンネル方面を望む。

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先月23日、体験授業を受けた恥ずかしがり屋なYさん姉妹、今日からアトリエで学びます。
手始めの今日は、仲良く揃って図鑑の中から好きなものを選んで描くことになりました。

















前回、見事な筆さばきで綺麗なハイビスカスを描いた妹のYYちゃん(5才)、リスを選びました。
確かな観察力と筆さばきで、可愛いリスや好物のドングリや巣穴などをしっかりと描きました。

* * *

 
 前回、やはり美しいハイビスカスを描いた姉のMYちゃん(小2)は、植物図鑑の中から花を描きました。
アジサイを中心に6種類の花々が細やかな観察力と描写力で、その姿を紙の上に出現させました。
でも、今日はここまで。彩色の仕上げは次回に持ち越されました。楽しみですね。

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来月に展覧会を控えているWAさん、仕事帰りにやって来ました。
 今日もまた、80x160cm余の作品を8点、同時並行で描きました。

3x6判ベニヤ板を5点並べて(画像では3枚)制作中のWAさんの様子。

WAさんの強力なエネルギーには、いつも感服させられます。
仕事が忙しくて時間的余裕が無くなってしまい、以降の仕上げ作業は自宅で行われることになりました。
どうもお疲れ様でした。ラスト・スパート、頑張って下さい。

2012年4月26日木曜日

YSさんのポット、完成


雨の木曜日、HSさんがやって来ました。
今日は、自宅で描いてきた油絵の仕上げをやることになりました。
( フェルメールの模写は、お休みです。)



花や葉の作り出すシンメトリカルなシルエットと、細長いガラス瓶がマッチして、独特の雰囲気を醸し出しています。
HSさんの静物画「瓶花(へいか、仮題)」(F6号)が、取りあえず仕上がりました。
後は、しばらく時間を置いて見直し、加筆または完成の印しのサインが入れられる予定です。

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YSさん、制作中のデッサン「エスプレッソ・ポット」の仕上げに取りかかります。




YSさんのデッサン「エスプレッソ・ポット」が、完成しました。
複雑な面構成の幾何学的形態と、アルミ・ダイキャスト製の素朴な質感も見事に表現されました。
しかも、今回はテーブル上の影の中に映りこむ不思議な雰囲気の反射光も活かされた構図です。

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HINAちゃん(中2)、きょうも木工クラフト「勉強机」の制作を続けます。
制作中のHINAちゃんの様子は、うかつにも撮りそこねてしまいました。すみません。

写真は、今日の作業を終えた机の様子です。

今日は、天板表面の微細な凹部に残留した研磨剤の除去作業を行いました。
相変わらず、地道で根気の要る作業です。お疲れ様でした。


「 アトリエ猫たち、祝1才 」

初代アトリエ猫・ススの子らが、本日めでたく誕生日を迎えました。

左から「ポポ」、「ビビ」、「メメ」の三勇姿です。
( 隣人Oさんのお婆ちゃんに貰われたブブ(現ナナコ)も元気です。)

食べずに小さくて細い子、その逆で大きくて太い子、ママ譲りの目立ちたがりな子、と様々です。
ちなみにアトリエの子どもたちの1番人気は、内気でチビのポポちゃんです。

2012年4月25日水曜日

JS君、彫塑から彫刻へ

ついこの間、若葉第1号の木を見つけたと思ったら、ケヤキの新緑がこんなに増えました。

森の里4丁目のケヤキ並木
 * 

水曜日のアトリエ、JS君(小4)、クラフトの塑像・四天王像の制作を続けます。
前回までの肉付け作業が終わり、今日は小サイズの彫刻刀を使って細部の彫り込みです。

顔面の彫り込み作業に余念のないJS君の様子


今日は、顔面の目鼻や全身を覆う鎧の重なり部分などが彫刻されました。
前回までの彫塑(足し算)が彫刻(引き算)に変わり、JS君 真剣な眼差しで作業に集中していました。
次回はその最終仕上げと、頭部の尖った怒髪や足、台座が取り付けられる予定です。
楽しみですね。


お 知  ら せ

当アトリエの講師Mが、新たに個人のブログを作りました。
出来立てのホヤホヤです。よろしければご覧になって下さい。


2012年4月24日火曜日

お休み日の美術館

一転、季節外れの陽気となった火曜日、アトリエはお休みでした。

代わりの名作美術館(その22)をお届けします。
今日は、前回のホーマーと並んでアメリカ絵画 黎明期を代表する画家トーマス・イーキンズの作品2点を紹介します。

副題は「都会派イーキンズの直線」です。
Thomas Eakins (1844~1916)

 " The Biglin Brothers Turning The Skate-Boat "  Oil on Canvas ( 1873 )


 " Perspective Drawing , Pair-oared Shell "  Pencil, Water-color on Paper ( 1872 )

図版上は、逆光でシルエット状の二人の漕ぎ手が描かれた「ボートをターンさせるビグリン兄弟」と言う油彩画です。
図版下は、画家がその油彩本画を制作するにあたって習作・研究用に描いた多数の下絵デッサンの内の1枚です。

本画、デッサン、いずれもボート競技(スカル種目)を題材にした絵です。
油彩画面は上下2等分された水面を基軸として、遠方の自然と、前景は直線をリズミカルに配した心地良い作品です。

次にデッサンの方ですが、画家は透視図法のマス目を水面上に記して、その上にボートと人物を配しています。
それ自体は何も新しいことではなく、古くはダヴィンチの有名なデッサンでも知られるような伝統的な習作方法です。
ここで着目するのは、ボートやオールの直線と同様に、二人の漕ぎ手もまた直線的にその姿態が描かれています。
また、前の漕ぎ手左側には、光の当たった腕の明るさを表す為に背景の樹木が舞台装置のように描かれています。
この外界の直線的な捉え方・描き方こそが、新大陸アメリカの新しい感性のようにさえ私個人には思えてくるのです。

ホーマーとイーキンズの残した足跡は、米国を始め現代にも繋がる多大な感性の遺産であることは間違いありません。

( 画面内クリックすると、拡大画像が得られます。)

By 講師T